あらすじ

今から100年前、神戸港から移民船笠戸丸はブラジルに向けて出航した。
期待に夢を膨らませる781人の第一陣の中に、実は忍者の2大派閥の一つ伊賀忍者の子孫がいた。近世になり昔の忍者としての技は実際には不用になったものの彼らは長年、密かに忍者の技を伝えてきた。

ブラジルが新天地であり裕福な土地であると聞き、いち早く目をつけたのは伊賀忍者であった。彼らの目的は長く伊賀の血を残すことであり、また甲賀に対抗する忍者の新しい生きかたが新天地にあるのではと考えた。
しかしその2年後、伊賀忍者の動きを察知した甲賀忍者が負けじと後を追って第2回移民船にのりブラジルに渡った。

それから100年……
裕福になった日系ブラジル人たち。見た目は日本人でも3世、4世になると中身は完全なるブラジル人。コーヒーを飲み、サンバを踊る。
何より愛してやまないのは、そう、サッカーである!
勿論、今や日系ブラジル忍者となった伊賀、甲賀のメンバーも例外ではなかった。ここ南米の地でも相変らず彼らは、その技を代々伝え、伊賀、甲賀にわかれて、その技を競い合った。但し、今や純粋な忍者の技としてではなく「サッカー」を使って……

そんなある日、3年に一度の2大派閥激突の日がやってきた。
サンパウロ郊外にあるジャングルの中にある巨大な洞穴で伊賀対甲賀の忍者の技を使ったサッカー大会が繰り広げられていたのである。

その側を一人の少年、カルロスが泣きながら歩いていた。
彼は、サッカーが大好きな少年で地元の少年サッカーチームに所属していた。しかし、才能はゼロ。いつも友達からバカにされ、コーチでさえ相手にしてくれず毎日つらい思いをしていた。

それでもサッカーが大好きなカルロスは、いつかブラジル代表のユニホームを着ることを夢見て頑張っていたのだ。

偶然にもカルロスが見たサッカーは今まで見たことの無い、スーパープレイの連続だった……